【Unboxing & Review】Logicool Spotlight Wireless Presentation Remote

プレゼンテーションにおける三種の神器

プレゼンテーションにおける三種の神器は「大袈裟にジェスチャーするための腕」と「無駄に壇上を歩き回る足」と「スライドを進めるためのリモコン」です。

私は長年、ごく普通のポインター兼リモコンを使用していました。ポインターの色は赤、進む、戻るのボタンのみ、単4電池で駆動と今となっては旧来型のタイプです。

ですが、先日使用していたところ急にポインターが光らなくなりました。後から確認ところ問題なく光っていましたが、大事なプレゼンの途中であたふたしてしまいました。プレゼンの極意は壇上で堂々と振る舞うです。途中であたふたするなんて言語道断です。

yakkun

また同じようなことがあっては困るな。旧来型だし新しいのに買い換えよう

という訳で、プレゼン用リモコンを新調することにしました。

Logicool Spotlight Presentation Remote

調べてみたところ最近のポインター兼リモコンはいろいろなタイプがあることが分かりました。指にはめるタイプや小さいトラックパットがありマウス操作が出来るもの、また電源は電池ではなくバッテリー内蔵でUSB充電するものが多いというのが分かりました。

その中で際立って異色を放っている製品がありました。LogicoolのSpotlight Presentation Remoteです。なんとこの製品、レーザーポインターではなくソフトウェアで画面上にポインターを映し出すとのこと。またそのポインターがスライドの拡大、縮小も出来るらしい。これは凄い。なんの迷いもなくこれにすることにしました。

yakkun

製品はこれにしよう。あとは色だな。ゴールド、グレー、シルバー、レッドの4色か。リモコンが目立ってもしょうがないからゴールドとレッドはやめておこう。ここは無難にシルバーにしよう

という訳でシルバーに決定。Spotlightのシルバー型番はR1000SVです。早速ネットで購入しようしましたが、どこにも見当たりません。ゴールドなどその他の色はアマゾンなどで見つけられますが、シルバーはどこにもありません。詳しく調べたところシルバーはAppleストア限定色とのこと。意味が分かりません。何故シルバーだけAppleストア限定なのか。意味が分かりません。Appleストアなんて行ったことありません。

人生初のAppleストア体験

そんな訳で思いがけずAppleストア初体験です。元来、私はApple製品に縁の無い人生を送っていました。そんな私ですから当然Appleストアなんて行ったことありません。しかしシルバーはAppleストア限定色。仕方ありません。銀座のAppleストアに行くことにしました。

人生初のAppleストアは、店に入っても売り場案内の看板がないとかエレベーターの乗り方が分からないとレジが無いとかいろいろ戸惑いましたが、なんとかSpotlightのシルバーをゲットしました。価格は定価の\12,880でした。

開封の義

前置きが長くなりましたが、まずは開封の義です。

パッケージ前面
パッケージ背面

白を基調としたパッケージです。

開封したところ
本体と付属品

本体と付属品です。左からSpotlight本体、充電用USB Type-Cケーブル、ケースです。

本体下の出っ張りを引き抜くとレシーバーになるUSBドングルが出てきます。その奥にUSB Type-C接続端子(メス)があり、充電する格好になります。これならUSB Type-Aで充電よかったような・・・。更に謎なのがケースには本体しか入らず、充電ケーブルと一緒に保管できません。よく分からないなぁ。

専用ソフトウェアをインストール

さてChromebookでといきたいところですが、Spotlightの専用ソフトウェアはWindows及び、MacOSとなりChromebookは対応していません。しかし本製品、Chromebookでも機能制限はありますが利用可能です。それは後ほど。

まずは、手持ちのWindows 10マシンに専用ソフトウェアをインストールします。専用ソフトウェアはロジクールのサイトからダウンロード出来ます。

次にUSBレシーバーを挿入。これで利用可能になります。

専用ソフトウェアの設定

ポインターの設定画面

まずはポインターの設定です。ポインターは円で表示されます。円の大きさを変更することができ且つ、ポインターを表示した際、周りが暗転します。その暗転の輝度も調整出来ます。

カスタム設定画面

本体真ん中の一番大きい「進む」ボタンの長押しした際の動きをカスタマイズ出来ます。

さあ、やってみよう。ソフトウェアでのポインター表示

プロジェクターに映した図

こちらが目玉機能のソフトウェアによるポインターを使用した際のプロジェクターの画面です。

仕組みはイマイチよくわかっていないですが、恐らく何らかの加速度センサーが本体に搭載されており、傾きを検出していると思われます。なので、どの方向を向いていようが、どの角度で持っていようが、ポインターボタンを押した瞬間に画面の中心にポインターが表示され、上に向ければポインターも上に移動し、下に向ければ下に移動するといった感じです。

また直前のポインター位置が記憶され、二度目にポインターボタンを押した際は、同じ位置に表示されます。

最初は戸惑いますが、慣れれば問題なく使用できます。特に遅延もないので通常のレーザーポインターと同じように使用できます。

拡大機能はダメ。

ポインターを使用した際、ポインター内部を拡大表示する機能も持ち合わせています。が、この機能は残念ながら改良の余地ありです。拡大は出来ますが、拡大したままポインターを動かすとカクカクしてしまいます。拡大表示の処理が追いついていないように思われます。

私のWindows 10マシンはVaio Z Canvasです。こいつはなかなかのモンスターマシンでCore i7、16GBメモリ、SSDといったスペックなのでマシン処理が追いついていないという訳では無さそうです。恐らく専用ソフトウェア側の作りに問題がありそうです。今後のバージョンアップに期待です。

ポインター機能は先進的でグッド。でも使い所は難しい

ソフトウェアによるポインター機能は非常に良好です。一番効果を発揮するのは複数の投影画面があるようなある程度大きな会場の場合です。これまではレーザーポインターを使っても一つの画面でしか指し示すことが出来ず他の画面を見ている人は「どこ指してんだ?」となってしまいますが、この機能を使えば全ての投影画面でポインターを表示することが出来ます。

しかし難しい部分もあります。このポインター機能が先進的すぎるところです。先日早速、Spotlightを使ってプレゼンしてみましたが、ポインター機能を使った途端、聴衆が「お!?今のなんだ!?」とプレゼン内容そっちのけでポインター機能に興味津々になってしまいました。これは「プレゼン資料にアニメーションを沢山入れてはいけない」と言われるのと同じでスライドにアニメーションばかり入れると、アニメーションばかりに気になって内容が全く入ってこないのと同じです。

なので、このポインター機能、かっこいいのですがここぞという時以外の使用は控えた方がいいかもです。また暗転の度合いも少ない方がインパクトが少なくなるのでオススメです。

Chromebook Proでの使用

本製品は対応OSにChromeOSと記載があります。もちろん試してみました。

Chromebook ProはUSB Type-Aポートはありませんのでレシーバーは使えず必然的にBluetooth接続になります。セットアップは非常に簡単です。

  1. Chromebook ProでBluetoothをオンにする
  2. Spotlightのポインターボタンと戻るボタンを同時押し

これでペアリングが完了します。

ペアリングした図

ChromebookでPowerPointを表示する方法は3つ

私はもっぱらプレゼン資料の作成はMicrosoft PowerPointを使用しています。Spotlightの動作確認もPowerPointで行いました。

2018年2月現在、Chromebook ProでMicrosoft PowerPointを使う方法は3つあります。

  1. ブラウザからOffice Onlineを使う
  2. AndroidアプリのMicrosoft PowerPointアプリを使う
  3. Googleスライド形式に変換して使う

結論からいうと、3つの方法全てでSpotlightを使うことが出来ました。もちろん専用ソフトウェアは使えませんのでポインター機能は使うことは出来ませんが進む、戻るは問題なく使えます。

AndroidアプリのMicrosoft PowerPointでの全画面表示
Googleスライドでの全画面表示

画像では分かりにくいですが、AndroidアプリのMicrosoft PowerPointアプリを使用したほうがきれいに表示できます。

以上、Logicool Spotlightレビューでした。

 

種子島にロケット打ち上げを見に行こう! 〜 ロケット打ち上げ見学場下見編 〜

ロケット打ち上げ前日になりました。今回はロケット打ち上げ見学場下見編ということで、種子島にいくつかあるロケット打ち上げ見学ポイントの紹介をしたいと思います。

これまでの連載は以下です。

種子島にロケット打ち上げを見に行こう! 〜 挫折編 〜

種子島にロケット打ち上げを見に行こう! 〜 計画編 〜

種子島にロケット打ち上げを見に行こう! 〜 予約編 〜

種子島にロケット打ち上げを見に行こう! 〜 準備編 〜

種子島にロケット打ち上げを見に行こう! 〜 旅立ち編 〜

ロケット打ち上げをどこで見るか。

ロケット打ち上げをどこで見るか。それは見学者にとって永遠の課題です。

まず前提知識として、H2Aロケットは種子島宇宙センター北部にある大型ロケット発射場から打ち上がります。ロケット発射台のことを射点と呼び、H2Aロケットは第1射点からH2Bロケットは第2射点から打ち上げられます。

またロケット打ち上げ時はこの射点から半径3km圏内は関係者以外立ち入り禁止となります。逆に言うと3キロメートル以上離れていればどこから見てよいということです。

JAXAオススメ見学場は4つ

こちらのサイトにJAXAオススメ見学場の紹介があり、行き方や駐車場の有無、カウントダウンライブ中継の有無などの解説があります。

yakkun

JAXAのオススメ見学場は恵美之江展望公園かぁ。確かに一番近いし遮るものも無さそうだし、ここでいいかなぁ・・・。

否!安易に決めてはいけません!折角、種子島まで来たのです。自分が納得できる場所で見たい!!私はそう考えロケット打ち上げ前にいくつかある見学ポイントを実際に周り、この目で見て納得できるポイントを探すことにしました。

南種子町公式見学場は4つ

ファン!ファン!JAXAのサイトにもある通り、種子島には南種子町が運営する公式のロケット打ち上げ見学場が4つあります。公式見学場で見る利点は駐車場が完備されていることや交通整理が行われているなどがありますが、最大のメリットは何と言ってもカウントダウン実況放送があることでしょう。カウントダウンがあれば、いつ打ち上がるのかが分かることと同時に周りで見学している人から自然と10秒前あたりからカウントダウンが始まります。ロケット打ち上げ見学というよりは、ロケット打ち上げイベントに参加しているという表現の方があっているぐらい盛り上がりと一体感が生まれます。

恵美之江展望公園

恵美之江(えびのえ)展望公園と読みます。公式見学場内で一番射点から近い公式見学場です。カウントダウン実況放送があります。

こちらは展望公園から望遠無しで撮影した写真です。肉眼で見たイメージは大体こんな感じです。

10倍望遠ズームでの撮影。右の四角い建物が大型ロケット組み立て棟(VAB)で左の2本の紅白の鉄塔が第2射点です。

駐車場はこんな感じ。写真では停められる数が少ないですが、実際は公園に入るまでの道のり両サイドにも車を停めるところがズラッと並んでいます。

展望公園先端から撮影。左から第1射点、第2射点、大型ロケット組み立て棟(VAB)です。

発射場の説明看板があります。

足を踏み入れた時の第一印象は「射点が近いな!!」です。もうここでいいんじゃないかと思うぐらい最高のロケーションです。唯一の懸念はズームの写真を見てもらうと分かるのですが、射点の足元が山に隠れてしまっているところです。ここからだと点火の瞬間は見れないのかなと思いました。

恵美之江展望公園はどこにあるの?

名称: 恵美之江展望公園
住所: 鹿児島県熊毛郡南種子町平山 南種子町平山

恵美之江展望公園は大型ロケット発射場からほぼ真北(若干西より)約3キロの海岸線沿いにあります。海岸線沿いにあるため公園から発射場までは海上となり遮るものがありません。公園への行き方は途中、細い道を通る必要がありますが、公園自体は広く車も停めやすいです。

大型ロケット発射場との距離

Googleマップの機能を使って凡その距離を測ってみました。ほぼ3キロということで制限区域外ギリギリであることが分かります。出来るだけ近くで見たい!という方はここがおすすめです。

長谷展望公園

ロケット打ち上げ見学場といえばここが一番メジャーなのではないでしょうか。ロケット打ち上げがあるたびにテレビのニュースで流れる映像でや子供たちがインタビューされるのは大体この公園です。

しかし、私が行った時はあいにくの雨でした・・・。

公園全景。写真では分かりにくいですが公園全体がなだらかな斜面になっています。これであれば最前列を陣取らなくてもある程度、打ち上げ直後から見ることが出来そうです。まさにロケット打ち上げ見学のために作られた公園と言えます。

しかしこの日は曇っているため肝心の射点がどこなのかわからず・・・。

ロケットのようなオブジェがあります。

長谷展望公園はどこにあるの?

名称: 長谷展望公園
住所: 鹿児島県熊毛郡南種子町平山 南種子町新長谷

大型ロケット発射場との距離

長谷展望公園は大型ロケット発射場から北西に約6.4キロメートルの場所にあります。高台にあるため遮るものは無いですが、距離は恵美之江展望公園の倍ですね。距離ではなく一番メジャーな見学場で見たいという方向けかもしれません。

宇宙ヶ丘公園

キャンプ場併設の公園です。私が行った時はテントを張っている方も多くいました。ロケット打ち上げも見つつキャンプもしたいという方にオススメです。

しかし例によって雨のため射点が見えません・・・。

(恐らく)射点がある方を撮影。曇ってて全く見えない・・・。

左に見えるアンテナはJAXAのテレメータ設備です。打ち上がったロケットのデータを受信する設備です。

ロケット関連のオブジェがあります。キャンプしている人もちらほら。

ロケット打ち上げのお知らせ看板があります。

宇宙ヶ丘公園はどこにあるの?

名称: 宇宙ヶ丘公園
住所: 鹿児島県熊毛郡南種子町中之下1937−3

大型ロケット発射場との距離

宇宙ヶ丘公園は大型ロケット発射場から西に約7.2キロメートルの場所にあります。長谷展望公園より更に1キロ弱離れていますね。ロケット&キャンプの方向けという感じです。

前之峯グラウンド

正式名称は南種子町営陸上競技場といいます。南種子町の街中にあり、交通の便はグッドです。迷うこともないでしょう。

しかし、私が訪問した時はあいにくの雨が更に強くなっており写真を取るのを断念しました。

前之峯グラウンドはどこにあるの?

名称: 前之峯グラウンド(南種子町営陸上競技場)
住所: 鹿児島県熊毛郡南種子町中之上

大型ロケット発射場との距離

前之峯グラウンドは大型ロケット発射場から西北西に約7.1キロメートルの場所にあります。距離的には宇宙ヶ丘公園とほぼ同等です。南種子町の街中に位置するというのが一番のメリットでしょう。

七色坂展望所

種子島の最南端、門倉岬にほど近い見学場所です。こちらは公式見学場ではないので、カウントダウン実況放送はありません。

七色坂展望所から射点方面を撮影。普通のカメラでは射点はもとより大型ロケット組み立て棟すら確認できません。でも景色は最高ですね。

七色坂展望所はどこにあるの?

名称: 七色坂展望所
住所: 鹿児島県熊毛郡南種子町西之

大型ロケット発射場との距離

七色坂展望所は大型ロケット発射場から南西に約10キロメートルの場所にあります。海岸と海を望みながらロケットの打ち上げを見たい人向けです。

上●の採石場

サニースポットの女将さんに教えてもらった地元の人が行く見学場所です。当然公式見学場ではないですのでカウントダウン実況放送はありません。

10倍望遠ズームでの撮影。左から大型ロケット組み立て棟(VAB)第1射点、第2射点です。

望遠無しでの撮影。肉眼で見たイメージはこのような感じです。

足を踏み入れた瞬間、正直ここはすごいなと思いました。まず何と言っても射点が近いことです。10倍望遠ズームもあれば射点をはっきり見ることが出来ます。またここの凄いところは射点を正面から見られるところです。恵美之江展望公園も距離的にはほぼ同じですが、射点を若干横から見る格好になるため、紅白の鉄塔がロケットにかぶってしまうのです。しかしここは射点を正面から見ることができるため、紅白の鉄塔が被らずロケットを正面から捉えることができます。更にここは高台にあるため、射点を見下ろす格好になり、ロケットの根本もほぼ見ることが出来ます。要はロケットの点火の瞬間から捉えることができるということです。

流石、地元の人ご用達の場所だけのことはあるなと思いました。

しかしここは採石場です。ということは私有地なんだと思います。私が見に行ったときも、作業をされている方もおり実際どこまで入っていいのか、車はどこに停めたらいいのかさっぱり分かりませんでした。

ここは地元の方もしくはロケット見学上級者向けの場所なんだなと思いました。実際、H2Aロケット打ち上げがあるとのキレイな写真がツイッターに上がっていますが、ここもしくはこの周辺からの撮影と思われます。

上●の採石場はどこにあるの?

場所は秘密にしておきます。地元の方ご用達の場所であること、恐らく私有地であること、また駐車場も無さそうだったので変に情報を出してしまって地元の方に迷惑がかかっても良くないと考えました。気になる方は行った際に地元の方に聞いてみてください。

大型ロケット発射場との距離

大型ロケット発射場から約3キロギリギリのところにあります。距離的には恵美之江展望公園と同等です。

ではどこで見るか。

いくつかの見学場所を見て回った結果・・・

yakkun

恵美之江展望公園で見よう!

ぶっちゃけあまり迷いませんでした。折角、種子島まで来たのです。来た理由はロケット打ち上げを近くで見たいから。ならば近づけるだけ近づこうと考えたからです。合わせて公式見学場を選んだ理由はカウントダウン実況放送があるからです。ロケット打ち上げ見学は単に打ち上げ見学ではありません。ロケット打ち上げイベントなのです。ロケット打ち上げを見るという共通の目的の人が集まっている場所で打ち上げをみる。カウントダウンの時は自然と声が出ます。本当に盛り上がります。

ロケット打ち上げ見学場所のオススメは?

私は恵美之江展望公園を選びましたが、オススメが恵美之江展望公園というわけではありません。敢えて私からオススメは言いません。

なぜなら。私と同じように出来るだけ近くで見たい、ロケット打ち上げイベント参加して感動を共有したい、盛り上がりたいという人もいれば、打ち上げの瞬間をカメラに収めたい。あまり人がいないところで一人で感動したい。などロケット打ち上げ見学の目的は人それぞれだと思うからです。

もし種子島でロケット打ち上げ見学を計画されている方がいらっしゃったら是非、自分の足でロケット見学場所を見て自分の目的に合う見学場所を探してみてください。

今回のレポートは以上です。次回は打ち上げ前の最大のスペクタクル、機体移動見学編です!

Let’s EncryptでLet’s常時SSL化!!

世の中、常時SSL化だそうです。

2016年頃からでしょうか。Webサイトは入力フォーム等がなくてもSSL推奨!と見かけるようになったのは。(っていうかいつまでSSLっていうんですかね。TLSですよね、正確には。まあ別にどっちでもいいんですが)

実は私、常々このどのようなサイトでもSSL化すべき!という論調は当時から「はて、そうだろうか?」と思っていました。

SSL(もといTLS)は非常に良く出来たシステムの上に成り立っています。公開鍵暗号技術の基、認証局、証明書、ブラウザなどが完璧といえる役割を果たすことでユーザを通信経路上の盗聴や改ざんといった脅威から守ってくれます。

しかし常時SSL化が当たり前の世界になったらどうでしょうか。SSL化しているデータは暗号化しているため他人が盗み見ることは出来ません。個人宅でネットしているだけなら構わないかもしれませんが、企業はそうはいきません。統制のため、社員監視のため、セキュリティー確保のためといったあらゆる理由で社員のWeb閲覧を監視する必要があります。しかし常時SSL化していては監視ができません。そこで登場するのがSSL復号化技術です。SSLで暗号化されているデータをわざわざ復号化して中身を盗み見て監視します。既にそのような技術は確立し製品もあります。

そうなると次にどうなるか。私は以下のような世の中になってしまうのでは無いかと危惧しています。

  1. サイトはSSL化されている
  2. SSLは復号化されて当たり前
  3. SSLだけでは暗号は不十分
  4. 他の暗号化技術を使おう(もしくはSSLも使いつつ他も使う)

折角すばらしいエコシステムの上に成り立っているSSLという技術が常時SSL化のせいで信頼を失うという本末転倒な結果になってしまわないかと昔からぼんやり考えています。

そのサイト、本当にSSL化が必要ですか?

確かにオンラインバンキングや個人情報の入力、クレジットカード番号を入力するサイトはSSL化が必須と考えます。しかしそのような情報の入力や閲覧が無いサイト、ましてや個人のブログサイトまでもがSSLで暗号化する必要があるのでしょうか。

という訳で本ブログもSSL化しました(爆)

逆、逆、真逆です(笑)偉そうなこと言っときながら本サイトも常時SSL化しました(激爆)

仕方ありません。世の中が常時SSL化に進んでいます。長いものには巻かれろ精神です。

しかし自身の考えが変わったわけではありません。何でもかんでもSSL化は必要ないと考えます。しかし本サイトもSSL化したほうがよいと考えたのはGoogle Chromeブラウザの挙動の変化が大きいです。

Googleは常時SSL化を強く推奨しています。実際、2017年1月にリリースされたGoogle Chrome 56からはSSL(TLS)化されていない且つ、パスワードやクレジット番号の入力欄があるサイトでは「保護されていません」と出るようになりました。またChrome 62からは全ての入力フォームが対象となり、入力しようとすると同様の警告が出るようになりました。本サイトでも同様に検索ボックスに入力しようとすると「保護されていません」と出ます。

閲覧しているだけではURLは普通に表示されている
入力しようとすると「保護されていません」に変化する

検索ボックスに入力しようとすると「保護されていません」という表示に変化します。これはいけない。本サイトは検索ボックスの他にコメント欄があり、名前とメールアドレスを入れる仕様になっています。個人のブログサイトに入力するコメント内容が暗号化するほどの機微なデータなのかというのは人それぞれの考え方によります。それよりも一番懸念したのは「保護されていません」と出ることで「このサイトは危ないサイトなのかな?」と誤解を招いてしまうことです。

折角、閲覧してくれている方、コメントを入れてくれる方に不要な心配をさせてはいけないなと思い、今回常時SSL化することとしました。

常時SSL化は非常にカンタン。

本サイトはさくらのレンタルサーバ  + WordPressで運用されています。

さくらのレンタルサーバでは無料のSSLサーバー証明書「Let’s Encrypt」をコントロールパネルから簡単に設定できる機能を提供しています。合わせてWordpressのプラグインが提供されており常時SSL化を後押ししてくれます。やり方は公式サイトに手順が載っており、手順通りにすすめることで問題なく、そしてあっさり常時SSL化が完了します。

  1. コントロールパネルから無料SSLのインストールはこちら
  2. WordPressの常時SSL化プラグインはこちら

以上、常時SSL化した経緯と私の考えについてでした。